IL運動(自立生活運動)
読み方:あいえるうんどう(じりつせいかつうんどう)
1960年代にアメリカのカリフォルニア大学バークレー校で、重度の身体障害のあるロバーツ(Roberts,E.)が、入学時に段差などの環境上の問題から学生寮に入寮できなかった経験から、障害のある学生がおこした自立生活運動のこと(IL運動:Independent Living Movement)。
これは障害のある大学生の「障害者にもみんなと同じ権利を」という抗議運動です。
地域社会や大学構内のアクセシビリティを求める運動組織を結成し、アクセシビリティとともに大学が行っている障害のある学生の管理システムについても問題定義をしました。
この運動の主張は、介護側の便宜のために施設に収容されて、提供される毎日を拒否することで「重度の障害があっても自分の人生を自立して生きる」ことでした。
彼らが提唱した自立生活支援サービスの3つの原則は・・・
- 障害者のニーズを知るのは障害者自身である
- 障害者のニーズは多様なサービスを統合的に提供することで効果的となる
- 障害者は出来るだけ地域社会に統合されるべきである
になります。
これは、それまで専門職が中心となった援助から、自ら決定することが自立という概念を作りました。
これによって「他人から援助を受けないことを自立とするのではなく、援助を受けても自ら選択し決定することが自立」ということの概念を世の中に広めることが出来、現在の自立という概念の基礎となりました。