法人とは
読み方:ほうじん
社会の中で個人に人格や名前が与えられているように、集団や団体にも「法人格」という人格が与えられています。また、その集団や団体には「法人名」として名前が付けられます。
法人は、法人格を持ち、法人理念や経営方針を掲げて事業活動である介護サービス事業を行うことで、その事業活動に対する社会的信用を高めることが出来ます。
日本では、社会福祉基礎構造改革が行われ、2000年(平成12年)に社会福祉事業法を社会福祉法に改正するなど、いくつかの法律の改正が行われました。
同時に介護保険制度もスタートしています。
こういった改革により、介護サービスを含む福祉サービスは、行政による「措置」として行われるものから、対等な「契約」によって選択して利用するものになったといわれています。
介護サービスを提供することも、介護保険制度が始まる以前は、公的機関〔県営、市営等〕と社会福祉法人だけに許可されていたのですが、介護保険制度の創設によって、民間企業を含む様々な法人が事業所の運営をするようになっています。
例えば、『非営利法人』の法人の種類として、
- 社会福祉法人
- 医療法人
- 特定非営利活動法人(NPO法人)
- 生活協同組合
- 農業協同組合
などで、『営利法人』の種類としては、
- 株式会社
- 有限会社
- 合名会社
などになっています。
事業所を運営・管理する法人
では、法人とは一体何でしょうか?
法人とは、事業所の経営母体のことです。
複数の事業所を一括して管理・運営しているのが法人です。
皆さんは法人という存在を意識したことがあるでしょうか? 介護福祉職の外部研修等では、自己紹介の場面で自分が所属する事業所名を名乗っている場面をよく目にしますが、法人名を紹介しているという場面はほとんど見かけません。
法人は、事業所名に比べて所属しているという意識が弱いのでしょう。
法人が複数の事業所を運営していれば、人事異動(勤務する事業所や部署の変更)は、法人の代表名で辞令が出されるため、その時に法人を意識することになるかもしれません。
なお、法人内の人事異動も、質の高い介護サービス提供を支える1つの方法です。
例えば、入所施設で、出産による休職者が出た時に、人事異動によって在宅サービス事業所から人員を移し、入所施設での介護サービス提供に支障が出ないようにするといったことがあります。