社会福祉法とは
読み方:しゃかいふくしほう
社会福祉の基本的事項を定めた法が「社会福祉法」です。以下のように「個人の尊厳の保持」が社会福祉(福祉サービス)の基本理念として示されおり、「利用者の意向を十分に尊重」することが提供の原則として示されています。
- 社会福祉法
- (福祉サービスの基本的理念)
第3条
福祉サービスは、個人の尊厳の保持を旨とし、その内容は、福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され、またはその有する能力に応じ自立したに日常生活を営むことができるように支援するものとして、良質かつ適切なものでなければならない。
(福祉サービス提供の原則)
第5条
社会福祉を目的とする事情を経営する者は、その提供する多様な福祉サービスについて、利用者の意向を十分に尊重し、かつ、保健医療サービスその他の関連するサービスとの有機的な連携を図るよう創意工夫を行いつつ、これを総合的に提供することができるようにその事業の実施に努めなければならない。
これは1998年(平成10年)の「社会福祉基礎構造改革について(中間まとめ)」に基づいています。ここで示されている社会福祉の理念と原則の重要な視点は2つあります。
✅1つ目は、自立と生活支援を結び付けていることです。その人の能力に応じて、利用者が自立した生活が送れるよう支援するということです。なお「能力に応じて」とは、主体的に福祉サービスを利用する意思を意味しています。
✅2つ目は、「福祉サービスを活用する」という概念を始めて用いたことです。それまでのように保護、援護、更生の対象としてとらえるのではなく、自らの意思による選択と責任によって福祉サービスを利用する主体ととらえることを示しました。このことが人格的自立と具体的な生活自立への生活設計における基盤となります。またこのことは、行政が福祉施設に要入所者を入所されるというこれまでの「措置」の制度を基本的に変えるものになりました。
この理念と方針は、介護保険法並びに障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(以下、障害者総合支援法)においても同様の趣旨の規定があります。