ライフスタイルに関する自己決定権
読み方:らいふすたいるにかんするじこけっていけん
利用者の生活の事柄に対する自己決定のことを、ライフスタイルに関する自己決定権といいます。
それは、以下の内容を指しています。
1.1日24時間をどのような生活リズムで過ごすのか
2.日々繰り返される日常生活動作(ADL)としての基本的生活習慣は、どんな考え方で、どのような方法で行うのか
3.生活を成り立たせるための家事行為や経済的側面はどんな考え方や方法なのか
4.生活における趣味や生きがいなどについて、どのような価値観をもっているのか
5.どんな人生を送りたいのか
などについて、その人の意思で決める権利です。
身近な例をあげると・・・
私たちが普段洋服を選ぶ場面を考えてみます。
自分の価値観や好みに基づいて購入している洋服の中から、今日の天気や気温をはじめ、予定されている活動の種類などから、さまざまなことに思いをめぐらせ「今日はこれを着よう」と自分の意思で選択します。
自分の着るものについて、他者からの指示は必要としません。
それは、自分自身で洋服やタンス・クローゼットの中から取り出せるか取り出せないかを問わず、自分らしさを自己表現の1つとして自分で決めることです。
このように自分が普段無意識に行っている行為は、これまでの長い生活の積み重ねによって、その人らしさとして培われてきた価値観や方法、嗜好などをあらわしています。
それは年齢を重ねれば重ねるほど、他者との違いとして際立ってくるものです。
そのため、介護福祉職はサービス提供にあたり、利用者の立場に立って、その尊厳を保持するよう十分に配慮する必要があります。
介護福祉職の考えや思い込みによる一方的な支援内容・方法にならないよう、利用者の自己選択の機会を奪わないという高い倫理観が求められることになります。